一年で最も寒い「大寒」、2023年は1月20日~ 2月3日頃です。
それでなくても、現代人は36度以下の低体温が増えているそう。体温が1度下がるだけで、免疫力は30%も低下するそうです。
体温が下がり、血流も悪くなれば、便秘や肥満にもつながります。この時期は特に「体温を上げる食事」を意識したいですね。
そこでおすすめなのが、マクロビオティック (マクロビ) の食事法を参考にすること。
なぜこの季節にマクロビが有効か、ビーガンとマクロビの違いや、おすすめの食材・メニューについて解説します。
この記事を見て、食事で寒さ対策しましょう!
【目次】
- マクロビオティックとは
- ルーツ
- マクロビの特徴
- マクロビの考え方
- ビーガンとマクロビの違い
- ビーガンとマクロビの共通点
- 陰陽の食事
- 冬は陽性の食事でカラダを温める
- おすすめ食材やメニュー
- 冬は陽性の食事でカラダを温める
- まとめ
マクロビオティックとは
ルーツ
マクロビオティック (以下、マクロビ) は、1930年代、「食医」と呼ばれた石塚左玄 (さげん) 考案の「食養生」に影響を受けた桜沢如一(ゆきかず)という人物が、そこに東洋思想を加えて独自の「玄米菜食」を提唱したことが始まり。
1970年代頃からアメリカやヨーロッパに普及し、日本では2004年頃からハリウッドスターやスーパーモデルが実践して、逆輸入の形で広まりました。
「Macro (大きい)」「bio (生命、生きる)」「tic (術、方法)」=「マクロビオティック」。
語源は、古代ギリシャ語の「マクロビオス」に由来するそう。
食事の中心は全粒穀物 (玄米や雑穀など) で、そこに旬の野菜、豆類、海藻、みそやしょうゆ、自然塩で味付けした植物性出汁のスープなどを加えてバランスをとります。
基本的に、肉、卵や乳製品、白砂糖を使うスイーツ、カフェインの多いコーヒーや紅茶などのドリンク、アルコール、蜂蜜、人工甘味料などの添加物が加えられたものなどは避けます。
マクロビの特徴
マクロビには、2つの原則があります。
普通の食事では野菜の皮や根は取り除きますが、マクロビでは食材は丸ごと取り入れます。
「陰陽調和 (いんようちょうわ) 」
東洋思想、陰と陽のバランスが取れた「中庸 (ちゅうよう) 」の食事を心がけること
旬の野菜は、豊富な栄養素を含んでいるだけでなく、暑い季節には身体を冷やし、寒い季節には身体を温めるなど、その季節にあった役割を持っています。
マクロビでは陰陽思想によって分類した食べ物をバランスよく摂取し、カラダを陰にも陽にも偏らない状態に導くことを目指します。
マクロビの考え方
自然と調和し、健康的で穏やかな暮らしを送ることが、マクロビの目的。
マクロビにも摂取を避けるべき食材がありますが、それはビーガンのような倫理的な理由ではありません。
たとえば、ビーガンもマクロビも避ける、白砂糖。
ビーガンは、白砂糖の精製過程で動物の骨を使うため避けますが、マクロビでは極めて陰性の性質の強い「極陰」という扱いになるので避けます。
マクロビでは、カラダを冷やす作用が強いサトウキビを原料とした砂糖よりも、ビート(甜菜)が原料のてんさい糖や、米あめ、メープルシロップなど、カラダへの吸収がより穏やかなものを用います。
ビーガンとマクロビの違い
マクロビは肉を避ける食生活を行うことから、ベジタリアンやビーガンと混同されることもありますが、動物性の食品に対する、そもそもの考え方が違います。
ビーガンが重要視しているのは、動物の生命や、動物を人間の生活に利用 (搾取)しないこと。
極端に言えば、健康を目指すことよりも、動物の権利を重視します。
マクロビは、少量であれば小魚や卵を使用してもよいとされることがあります。
これはあくまでも、マクロビの目的が健康の維持と促進にあるからです。
マクロビの基本は、野菜の中でも自分の住んでいる場所の近くで取れた旬のものを選びます。
また、調理方法においても、サラダだけではなく、蒸す、茹でる、焼くなど、陰陽のルールに沿って調理を行い、野菜を皮や葉などの捨ててしまうところまで食します。
そのほかにも、ベジタリアンの多くはパンの種類に厳格なルールはないのに対し、マクロビは「一物全体」の考え方に基づいて、皮ごと挽いた小麦である全粒粉のパンや玄米を選びます。
ビーガンとマクロビの共通点
考え方の根本が異なるマクロビとビーガンですが、植物性食材を使う、動物性食品を避ける点は似ています。
また、マクロビにもビーガンにも、共通する「平和主義」という大きな思想があります。
陰陽の食事
冬は陽性の食事でカラダを温める
陰性の性質を持つ食べ物はカラダを冷やしますが、反対に陽性の性質を持つ食べ物はカラダを温めます。
これはどちらの食品のほうが優れているということではなく、あくまでも性質についての考え方。
特にマクロビの場合、陰陽どちらかの食品に偏るのではなく、双方をそのときのカラダの状態に合った、ちょうどいいバランス (中庸) で取り入れることが大事。
また、陰陽の性質は、飲み物、調味料、調理法にもあり、これらを組み合わせてカラダにとって最適な食事を組み立てていきます。
食材や調味料だけでなく、調理方法まで陰陽に分け、人間のカラダにベストな食事を目指すマクロビ。
徹底するのは難しいかもしれませんが、日ごろから不調を感じている人は、食の見直しに有効かもしれません。
おすすめ食材やメニュー
冬から早春にかけて収穫される野菜は、葉野菜や根菜類など幅広い種類があります。
年中手に入る野菜でも、冬に収穫したものは、寒い気候に耐えて甘味やうま味を蓄えています。
〈食材例〉
ホウレンソウ草→冬採れホウレンソウはビタミンCが3倍、鉄も豊富
白菜→鍋の具材として欠かせない白菜は、低カロリーで食物繊維たっぷり
しゅんぎく→緑黄色野菜に分類され、βカロテンやカルシウムを含む
ゴボウ→食物繊維が豊富。筑前煮には根菜類が豊富に使われますが、マクロビに最適な食材。
特にニンジンやゴボウは陽の性質を持っているため、カラダを温め、胃腸の働きを活発にしてくれるなどの効果が期待できます。
〈メニュー例〉
豆乳を使ったポタージュ→カボチャやジャガイモ、レンコンといったお好みの食材を合わせるだけの簡単ポタージュ。コトコト煮込むことは、陽性 (熱)の調理法
野菜のグリルや炒め煮、蒸し料理→野菜を丸ごと、オーブンで焼く、油で炒める、蒸す
玄米がゆ→玄米にはビタミンやミネラルなどの栄養素が含まれています。カラダに負担をかけない軽めの朝食に最適
三年番茶→中庸の飲み物で、カフェインがほとんどなく、マクロビでは日常的に用いられます
まとめ
マクロビは、すべてのものは陰か陽、どちらかの性質を持っているという考え方を、食材や飲み物、調理方法などに当てはめて、バランスの取れた食生活を送る考え方。
肉や乳製品、白砂糖を避けるなど、ビーガンと共通する面もあるので、考え方や前提は違えど、寒い時期にはマクロビの食事法がカラダを温めるメニューのヒントになります。
ビーガンを知ることで、動物愛護や社会問題の理解に繋がることと同じように、マクロビは、生命のサイクルに対して意識的になれるメリットもあります。
できるだけカラダを冷やさない食生活で、元気に春を迎える準備をしていきましょうね!
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「一物全体 (いちぶつぜんたい) 」一個の食材を丸ごと使って食べること
「身土不二 (しんどふじ) 」その人が暮らす地域で収穫された旬のものを食べる