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滋味あふれる雑穀の効能、選び方やブレンド方法を紹介

スーパーのお米売り場に行くと「五穀米」や「十六穀米」など、さまざまな雑穀がブレンドされた商品を見かけます。

白米や玄米を炊くときに一緒に混ぜるだけで、手軽に雑穀ごはんが食べられるので便利ですよね。

ビーガンなら日々意識して摂りたいタンパク質やビタミン、食物繊維などを多く含む雑穀について、種類や期待できる効能、季節に合わせたブレンドのやり方などをご紹介します。

【目次】

・雑穀と効能

 ・雑穀とは

 ・代表的な雑穀

・雑穀の選び方とブレンド方法

 ・自分でブレンドする場合

 ・食べるタイミング

・まとめ

雑穀と効能

雑穀とは

日本雑穀協会の定義によると、雑穀とは “日本人が主食以外に利用している穀物の総称”、つまり「米」と「小麦」以外の穀物の総称です。

例えば、アワ・ヒエ・キビ・オオムギ・ハトムギ・ソバ・アマランサス・キヌア、さらに豆類、玄米や発芽玄米など、幅広い穀物が含まれます。

日本では紀元前3000年よりも前から栽培されていたそう。戦後まもない頃まで、多くの日本人は少量の米にヒエやアワを混ぜたものを食べており、高度経済成長とともに主食が白米へと変わっていきました。

多くの雑穀は病害や虫害に強く、土壌があまり豊かでない寒冷地でも育つため、環境にやさしい作物としても再注目されています。

また、生命力が強い雑穀は、抗酸化作用が強く優れたポリフェノールを多く含み、ビタミン・ミネラル・食物繊維も豊富。健康面からも見直されています

代表的な雑穀

雑穀はそれぞれ、栄養素や効能が違います。代表的な雑穀とそれぞれの効能を見てみましょう。

日本最古の穀物「アワ」と「ヒエ」

「アワ」は、「味が淡い」ことが名前の由来。雑穀の中では特に鉄分やビタミンB1が多く、食物繊維やカルシウム、マグネシウムも含んでいるため、腸内環境を整えたい方や貧血予防におススメです。

甘味があり、くせがないので、様々な料理に使えます。アワのタンパク質は、血中の善玉コレステロール値を高め、消化も良いので、病中病後の食事にも向いています。

「ヒエ」は、縄文時代に中国から伝来した説や日本起源説があり、アワと並ぶ日本最古の穀物。

名前は「冷え」に耐えることに由来しているとされ、寒冷地や高地でも栽培でき、救荒作物としても利用されてきました。

炊いたものが冷めるとパサつくのが少々気になりますが、食物繊維やミネラル、亜鉛などが、全体的にバランスよく含まれています。

日本のお米のルーツ「赤米・黒米」

赤飯の起源ともいわれる「赤米(あかまい)」の赤い色素は、「タンニン」というポリフェノールの一種。「黒米(くろまい)」の黒い色素は、同じくポリフェノールの一種「アントシアニン」です。

どちらも稲の原種に近い古代米の一種で、白米と炊くとほんのり色づきます。抗酸化作用や発がん抑制の効果があるとされ、ビタミンも豊富です。

桃太郎に出てくるきびだんごでおなじみの「キビ」

黄色い実がなることから「黄実(きみ)」が語源といわれる「キビ」。アワ同様に、「うるちきび」と「もちきび」がありますが、粘りのある「もちきび」が好まれています。

見た目はアワと似ていますが、「もちきび」のほうが粒が大きく、炊くときれいな黄色がでます。(品種により、白っぽい色や褐色のものもあります)。コクや甘味、冷めてもモチモチな点が特徴。

「キビ」には、体内では生成されない必須アミノ酸である「メチオニン」が含まれ、肝臓の老廃物や毒素を出してくれます。漢方では、アワと同様に、すい臓や胃の働きを助けるといわれます。

驚異の穀物「アマランサス

「アマランサス」は過酷な栽培環境でも育つこと、栄養面に優れていることから「驚異の穀物」と呼ばれ、古代では豆類やとうもろこしに匹敵する重要な主食でした。

雑穀の中でも、丈夫な骨や歯を作るのを助けるミネラルが群を抜いて豊富です。プチプチとした食感が特徴。

「21世紀の主食」といわれるキヌア

NASAが完璧な栄養を持つ「キヌア」のことを「21世紀の主食」と呼んで推奨し、欧米で注目されるようになりました。

見た目は、アワやキビに似ていますが、ほうれん草と同じアカザ科の一年草。南米ペルーを中心としたアンデス高地で数千年前から栽培され、「母なる穀物」とも呼ばれます。

コシのある食感、味に深みとコクがあります。必須アミノ酸をバランスよく含み鉄分、ミネラル、カルシウム、食物繊維、ビタミンB群も豊富。

そのほか

押麦丸麦などの大麦には食感を良くしたり、調理しやすくしたり、見た目を良くするなど目的に応じたさまざまな加工方法がほどこされています。

カロリーや糖質が少なめで満腹感も維持できるため、ダイエットに良いと人気の「もち麦」。

水溶性食物繊維β‐グルカンは、コレステロールの正常化や食後血糖値の上昇を抑制する効果があるとされます。

参照

はくばく/雑穀/https://www.hakubaku.co.jp/products/grains/single/

ベストアメニティ/雑穀の種類/http://www.bestamenity.co.jp/culture/kind/kind09/

雑穀の選び方とブレンド方法

雑穀はいろいろな種類があって、どれが自分に合うのか分かりにくいですよね。メーカーにより、入っている雑穀の割合も全く違います。

写真のようにあらかじめ混ぜ合わさっている雑穀米は、バランスは良いかもしれませんが、ひとつひとつの雑穀の量が少ないということ。

雑穀の特定の効果を期待するならば、パッケージの裏などに書いてある「原材料名」をチェック。入っている量が多い順に穀物の名前が記載されています。

自分でブレンドする場合

ブレンドの割合は、白米一合に対して、雑穀大さじ1、水も大さじ1ほど増やします。気に入った雑穀の割合を増やしたり、季節の雑穀を意識してブレンドするところから始めてみてはいかがでしょうか。

秋のオススメブレンド 「もちきび」+「もちあわ」

甘くもっちりの組み合わせ。秋らしい、ほっくりした味覚を楽しめます。

冬のオススメブレンド 「ヒエ」+「そば米」 

素朴で滋味深い組み合わせ。血行をよくし、身体を内側から温めてくれます。

そいみん。

「そば米」は「そばの実」とも呼ばれます。ポリフェノールの一種「ルチン」を多く含み、雑穀の中でも特にタンパク質の含有量が高く、必須アミノ酸も含みます。そばについては、こちらも参考に!

食べるタイミング

雑穀米は1食あたりの栄養価を底上げするものですから、どのタイミングで食べても大丈夫ですが、あえてオススメするなら昼食です。

昼食後に眠くなるのを避けたい方や、夕食に糖質の高い食事を摂る予定があるなら、セカンドミール効果(最初にとる食事=ファーストミールが、次にとった食事=セカンドミールの後の血糖値にも影響をおよぼすことに期待して昼食を雑穀米にしてみるといいでしょう。

まとめ

雑穀は、白米には足りないビタミンやミネラル、食物繊維やポリフェノールなどの栄養を豊富に含みます。

不規則な食生活の方や、食が細く栄養が偏りがちな方は、うまく取り入れてみてくださいね。

白米に混ぜると見た目も色づき、もちもちやプチプチ食感も楽しめます。雑穀だけを炊くよりも、手軽で簡単でしょう。

スープやシチューに加えていろいろ試してみるのもオススメですよ。