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団らんに欠かせぬお茶、茶葉や急須はどう選ぶ?

2024年、あけましておめでとうございます。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

多くの方が、家族や親戚、仲間と団らんを満喫していらっしゃることでしょう。

お酒やごちそうをたらふく食べたあと、こたつでほっと一息した時に欠かせないのが「お茶」。

今日は、オーガニック専門家のワタシが、日本のオーガニック茶のスペシャリストに茶葉や急須の選び方、淹れ方などを聞いてきたので、シェアします。

これを読んで、今年はおいしいお茶をより楽しめるようになってくださるとうれしいです!

Contents

  • いしかわ製茶さん紹介
  • お茶の良し悪し、値段の差とは?
  • オーガニックとそうでない茶葉の違いについて
  • 茶葉の選び方や急須の使い方
    • お茶の淹れ方、具体的な手順
  • 石川龍樹さんプロフィール

いしかわ製茶さん紹介

昭和40年代から、業界では多量使用が当たりまえだった農薬に疑問を持ち、害虫が越冬できない寒さの標高650mの山間部を開拓。昭和53年に茶を植え付けてから現在に至るまで一度も農薬を使用していない奇跡の茶園「いしかわ製茶」さん。

平成に入りオーガニック認証が誕生するといち早く取り組み、日本初のオーガニック認証抹茶を実現。周囲の茶農家にもオーガニック農法を広めた事で平成20年に内閣総理大臣賞受賞

さらに、オーガニック需要の高い海外への展開を進め、家族経営の小規模農家ながら輸出を成功させた事を評価され、令和元年度日本農業賞大賞も受賞海外でも注目を集めておられます。

お茶の良し悪し、値段の差とは?

そいみん。:いしかわ製茶さんは、オーガニック抹茶やオーガニック煎茶を販売されていますが、そもそもお茶の良し悪しって、どういうものですか。

石川龍樹(以下、石川):一般的に定義されているお茶のランクは、高級な物ほど旨味が強くお値打ちな物ほど渋味が強いです。旨味を強くするには収穫前に覆いをかぶせたりと手間がかかるので高価になります。

お茶は嗜好品ですし、人の好みはさまざま。高ければおいしいということではなく、自身の味覚にあったお茶を見つける事が肝要です。

そいみん。:オーガニック栽培って、化学農薬を使わないで育てるから、虫に食われる部分が多かったり、一般の栽培方法と比べものにならないほど手間がかかるといいますね。

石川:オーガニック栽培の何が大変かと言うと、とにかく草取り!除草剤が使えないので手作業で取ります。夏場は数日かけて畑を一周草取りしたら、最初に取ったあたりがまた生えてきていて、永遠に終わらない作業です。

そいみん。:永遠に終わらない、、、炎天下の作業は、特に大変そうですね、、、。

石川:草取りは子どもたちにも手伝ってもらってます。美しい茶園風景の裏には、汗だくの努力があります。大事な茶園の養分を吸われたり、雑草が製品に混ざる事のないように、とにかく丁寧に草取りしています。

今年お越しになられたオーガニック認証の検査員さんからは「日本全国いろんなオーガニックの茶畑を見てきたけど、ここまで綺麗にされている所は初めてです」と褒めていただけました。

そいみん。:わ、お子さんも元気いっぱい!頼もしいですね。

石川:小さな茶園ですが経営を安定させて、まだ幼いですが息子たちにゆくゆくは継いでもらえるよう、次の世代にバトンを渡せるようがんばっています。

オーガニックとそうでない茶葉の違いについて

(写真)IOBオーガニック専門家のレムケなつこ氏(左)とベルリンにて

そいみん。オーガニックとそうでない茶の違いについて、一般の方からよく聞かれると思いますが、味やみためで、わかるものでしょうか?また、効能に違いがあるのでしょうか?

石川:お茶のみならず、有機農産物かどうかは、味や見ためでは分からないです。プロセスの差ですから。効能については、○○に効くというものではなく、化学合成された農薬の中に人体への悪影響が懸念され、避けた方が良いものがあります

そいみん。:ズバリ、石川さんがオーガニックのお茶を勧めるワケは?

石川:私も最初は、オーガニックのお茶について安心安全という売り文句しか持っていませんでした。しかし海外のオーガニックの認証を取得したり、商談で渡航したりしているうちに、
オーガニックの本当の価値は自然や環境が守られる事」であると思うようになりました。

健康にも、地球にも優しいオーガニックに、生産者も消費者ももっと目を向けてほしいと思っています。

茶葉の選び方や急須の使い方

そいみん。:ワタシ、実は日本茶の淹れ方に自信がもてないんです。昔、母親から「おいしくない」と言われてしまったのがちょっとしたトラウマで(笑)。でも、寒い季節は、家でもおいしく日本茶をのみたいと思っていますし、せっかくだから茶葉や急須の選び方も教えていただけませんか。

石川:お茶にはたくさん種類がありますよね。まず一つ試してみて、自分の好みを知りましょう。ほうじ茶や和紅茶など、それぞれのお好みのお茶がきっとあると思います。

急須でお茶を淹れるのはとてもコスパが良く茶葉に含まれる栄養も多く摂取できます旨味の強い高級茶がお好みの方は小ぶりの急須、渋味の強い中級茶がお好みの方は、大ぶりの急須がオススメ。

難しく考えず、まずは自己流で良いので急須で淹れてみてください。すると、お茶の違った魅力に触れられます。

ちなみに、写真の急須は、シンガポール商談会に向けて常滑焼作家さんに作っていただいたもの。龍の絵を入れてもらいました。

そいみん。:龍樹さんの「龍」ですね!2023年は、シンガポールのミシュラン星付きレストランで石川さんのお茶が扱われるようになったそうですね。素晴らしい成果じゃないですか!

石川:ありがとうございます。茶道は世界に誇れる素晴らしい文化ですが、敷居が高いと思われがちで人口は減少の一途。私も嗜んでおりますが、茶道が衰退するとお茶も売れませんし、茶道にまつわる作家さんたちの仕事も無くなってしまいます。そういった危機感から、作家さんたちも巻き込んで輸出に一緒に取り組んでいるのです。

お茶の淹れ方、具体的な手順

そいみん。:ワタシのようなビギナー向けに、お茶の淹れ方やコツ、抽出時間のポイントを教えてください。

石川高級茶の茶葉に含まれる旨味を出すには、低温で長めの時間の抽出がよいです。

茶葉のランクによって変わりますが、抽出の目安は一般的な玉露だと50度のお茶で2分。夏場でしたら、水出しもいいですね。

渋味を出したい時は高温の湯を用います。急須に入れた中級茶葉にポットから直接注いでいただいて構いません。1分程抽出すれば温かい渋いお茶が出ます。

そいみん。:石川さんの言葉だと、簡単に聞こえますが、とにかく何回も自分で淹れてみることですね。

石川:そうそう。お伝えした淹れ方もあくまで目安。あなたのお好みの味は茶葉量湯量湯温抽出時間を調節して見つけ出してください。そういった楽しみ方もまた日本茶の奥深さです。

そいみん。:今年こそ「あなたの淹れるお茶はおいしいわね!」と誉め言葉がもらえるよう、お茶を楽しむ時間をもっと設けて、オーガニック茶葉の魅力も広めていきたいと思います。

石川龍樹さんプロフィール

石川龍樹:昭和54年生まれ、二児の父。元プロボクサー。日本でいち早くオーガニック茶を手掛け、海外でも話題を集める茶葉は、現在のところ生産量の85%が海外へ。

日本人にもオーガニックの価値に気づいてもらい、国内でもっと買ってもらえるようにしたいという。家族のために、茶業界のために、地球のために奮闘中。インスタグラムは、こちら

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