2023年も、あと2か月。みなさんにとって、どんな年でしたか?
私は、学びとチャレンジの連続、小さな目標をひとつずつ積みあげ、実行してきました。
9月23日、日本時間13:00~16:00、東京巣鴨にてドイツIOBオーガニックスクールの第一回スピーチコンテストが行われ、光栄なことに「優秀賞」をいただきました。
オーガニックの最先端国ドイツの現地法人、オーガニックビジネス研究所IOB には、一般の主婦から国内外でオーガニックビジネスを展開している方まで、いろいろなバックブラウンドを持つメンバーが世界中にいます。
※コンテスト終了後に行われた、オーガニックスーパークランデール@千葉のオーガニックBBQパーティーの様子
オーガニックについての学びと情報シェアする、オーガニックのエビデンスを基にしたビジネススクールであり、オーガニックの専門家集団です。
今回の登壇者、北海道・関東・関西・四国などから集まった現スクール生、私のようなIOB認定オーガニック専門家や、これからオーガニックムーブメントの先頭に立っていくであろう仲間達が、それそれにオーガニックへの熱い思いを発表しました。
【テーマ】私 x オーガニック、登壇時間は5分
当日審査・オンライン視聴者による投票により、最優秀賞・優秀賞・ 特別賞が決まるコンテストは、テーマと登壇時間の制限ほか、以下の内容を順番に話すというルールがありました。
おそらく、この順を追う説明的なスピーチをする者が多いだろうと考え、私は実話(体験)をストーリーで伝えたいと思い、次のような内容でコンテストに挑みました。
「私 x オーガニック」全文
私は、3番目に登壇。私にオーガニックの意味を教えてくれた、亡き養蜂家とのストーリーで、①②③の話も織り交ぜました。
以下、その全文です。
ビーガンライターそいみんこと、ヨシオカミエです。今日は、どうしてもみなさんに話したいことがあります。
先日、知り合いの養蜂家が突然亡くなりました。彼は、山梨の山奥にあるポツンと一軒家で、たった一人で完全非加熱のオーガニック蜂蜜をつくっていました。
彼との出会いは3年前、私が富士山のふもとにあるレストランに勤務していた時に、山梨エリアの特産品で素晴らしいモノを発掘したいと探るなか、偶然に彼のオーガニック蜂蜜を見つけたのがきっかけです。
すぐに連絡をとると、たまたま店の近くにいるとのことで、レストランにやってきた彼。30代のスラッとした控えめなイケメンという感じで、聞けばアパレルから養蜂家に転身したとのこと。それにも若干驚いたのですが、さらに彼はこう私に告げました。
「僕の蜂蜜を理解してくれる方にしか、お渡しできないんです」。
私は、「蜂蜜については無知だけれど、あなたの蜂蜜に興味があり、どうしても商品をレストランで扱いたい」という趣旨の熱い想いをぶつけました。
結果、取引が始まるのですが、
あのときに試食させてもらったさまざまな種類の蜂蜜は、吸いこまれるような透明感があり、キラキラ輝いていました。味も素晴らしく、これは絶対に売れる!と直感しましたし、現に、売り場に出すなりすぐに特定のファンがつくほどで、二人して大いに喜んだものです。
私はその後、会社を退社して東京に住まいを移しました。今度は東京でオーガニック蜂蜜を応援するよ!と話していた矢先の彼の突然死でした。
私は、神を恨みました。
神を恨むのは、初めてではありません。
そもそも、私がオーガニックを人生に取り入れた理由は、両親が50代でガンになり亡くなったことで、どうしたら健康に幸せに暮らせるかを、ひとり孤独に悩むなかで、食べ物が重要であり、オーガニックがいまのところ一番の選択肢だと思ったことにあるのですが、
こうして私の大事な人の命を、神はどうして次々に奪ってしまうんだと、、、、、、納得がいかずに神を恨む気持ちがあるんです。
今日、どうしても話たいのは、ここからです。
私は、ひどく落胆した気持ちのまま、彼のHPをあらためて眺めていると、こんなコメントをみつけます。
「蜂たちを育てる代わりに、人間にも蜂蜜を少しわけてもらっています」
私は、ハッとなりました。
これは、IOBの主幹であるレムケ・ナツコさんから教わったことと同じではないか!と気づいたのです。
IOBに入るまでは、はっきりとわからなかった、なぜオーガニックにこんなに惹かれるのか、
IOBに入って確信したこと、オーガニックは生きとし生けるものすべてが、幸せになるしくみであること。
そう、養蜂家の彼も、単に蜂蜜を蜂から奪って、人間だけのために売りさばいていたわけではなく、絶滅しつつある蜂を守り、その対価として、少し蜂蜜を受け取った、その思いを込めたはちみつで、受け取った人々をしあわせにした。
「自然と生物と人間とが共存し持続する社会」=「オーガニックのしくみ」
彼の蜂蜜はまさに「本物のオーガニック」、それを彼はわかってほしかったんだなと気づいたんです。
私は、神を恨んでると言いましたが、このことで、考え方をすこし変えることにしました。
この養蜂家は、若くして、しかもたった一人で、この偉業を成し遂げた。だから神は、おつかれさまと言って、天へ彼を運んでいったのだと。
オーガニックを世の中に広めるために、 私が3年後までにしたいことは、この養蜂家の「信念」と重なります。
単なるライターとしてでなく、オーガニックの伝道者、リーダーとなり、
幸せになりたいけど、どうすればいいかわからない、
かつて、私がそうだった「孤独に悩んでいる人」の支えになる、小さくても、安心できるHappyなコミュニティーを作りたいです。
「オーガニックとは何か」を教えてくれた彼の蜂蜜は、幻になってしまいましたが、彼の「オーガニックへの信念」は、私が引き継ぎます。
ストーリー秘話
今回のスピーチは5分しかないため、もし入賞できたら、このスピーチの前後で起こった不思議な出来事を、あらためて伝えたいと考えていました。
スピーチコンテストの出場が決まった直後
・養蜂家の彼が突然この世を去ったことを、スピーチ内容を考える前に偶然に人伝て(ひとづて)に聞く。彼が教えてくれたオーガニックの本質を、仲間に伝えたいと思った瞬間に、スピーチ原稿は頭の中で出来あがってしまった。
・彼の話をすることで、スピーチ内容のルール①②③が、自然と網羅されることに気づく。
・彼の残したままのHPやSNS、初めて会った時に手渡されたカードをあらためて見たとき、彼の言葉が私の胸に、まるで生声のような感覚で、飛び込んできた。
・亡くなる前、最後のインスタグラム投稿の日付が、私の誕生日であった。
・資料として提出した一枚の「蜂蜜」の写真(写真上)の撮影日が、この提出日と同じだった。
コンテスト後に起こっている不思議なこと
・このスピーチで入賞が決まったこと→入賞にもれていた場合、この話はその場限りとなっていただろう。入賞することで、彼の話の続きができるチャンスを得た。
・スピーチに感動した、と言ってメッセージをくれた仲間と、交流が深まる。
・彼と共通の知り合いを通して、どんどん新しい出会いとつながりが生まれ始めた。
彼が私に、メッセージを送ってきているとしか思えないような、不思議な偶然ばかりです。この流れは、今後もまだまだ続きそうな気がしてなりません。
今回の受賞は、彼から私へのプレゼントであり、大事なバトンを託されたように感じています。
彼のご冥福を心から祈ります。
受賞コメント・全文
※写真:なっちゃんと私。ドイツからコンテストと交流会のために来日した、IOB主幹のレムケ・ナツコ氏(右)。IOBは、年齢や性別など関係なく、○○ちゃんと呼び合うアットホームな環境。なっちゃんは、スクール生の目指す姿であり、憧れの存在。
最後に、受賞コメントもあわせて、読んでいただけたらうれしいです。
まずは、私に投票してくださった方々に、心から「ありがとう」です。
今回の結果は、いつも一緒にオーガニックの価値や楽しさを共有してくれるIOBの仲間達と、私に直接的にメッセージを送り続けてくれた、亡きオーガニック養蜂家の信念がもたらしたもの。私は、ただの代弁者でした。
これからは、単なるライターとしてだけではなく、オーガニックを通して「新しい世界の扉」を、先頭に立ってみんなと一緒に、切り開いていくことを誓います!
なつこさんをお手本に!わたしに、期待していてください。
みんな、これからが本番だよ!よろしくね!ビーガンライターそいみん。こと、
Mie Yoshioka
2023年10月13日
あわせて読みたい そいみん。のエッセイ
・みんなで食べる「幸せ」をかなえたビーガンスイーツは、こちら
・ビーガンはペットOK?動物を飼うことについて思うことは、こちら
・食べ物、食べることへの疑念は、こちら
・ビーガンが教えてくれたことは、こちら
①私がオーガニックを人生に取り入れた理由(取り入れたい理由)
②IOBの学びを通して私が変化したこと(入学前と入学後の変化)
③オーガニックを世の中に広めるために、 私が3年後までにしたいこと(あなたの夢)