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みんなで食べる「幸せ」をかなえたビーガンスイーツ

ビーガンが教えてくれたもの/エッセイ

vol.4 みんなで食べる「幸せ」をかなえたビーガンスイーツ

ビーガンスイーツとは、卵や乳製品、はちみつなど、動物性原料を使わずに作ったお菓子のこと。

さらに、お菓子に多用される小麦粉や精製された砂糖、香料や添加物なども使わないビーガンスイーツの登場で、これまでアレルギーでお菓子を食べられなかった多くの子供たちが、友達や家族みんなと同じものを一緒に食べられる時代になりました。

ビーガンスイーツがあらためて教えてくれた「幸せ」について、つぶやきます。

1960年頃には、ほとんどなかった食物アレルギー

アレルギー反応とは、ご存じのように、異物を撃退しようとする人体の免疫反応のひとつ。

1960年頃にはほとんどなかった食物アレルギーですが、徐々に増え始め、日本でも1980年くらいから30年の間に一気に増えたそうです(※1)。

池波正太郎さんの「菓子」というエッセイのなかに、「昭和初期の洋菓子といえば、ドーナツとシュークリームとカステラの三つしか知らなかった」というフレーズがあります。

この三つに共通する原材料といえば、小麦粉・卵・乳製品・砂糖など。

多くの日本人も慣れ親しんでいる定番のお菓子は、たいていこのような原料で作られていますので、アレルギーを持つ子供たちは食べることができません。長い間、おやつの時間はHappyではなくSadな時間でした。

ところが、動物性由来のアレルゲン原材料や小麦粉不使用、植物性原料のみで作るビーガンスイーツが広まってきたことで、多くの人があきらめていた「みんなと同じお菓子を一緒に食べること」が可能になりました。

みんなで一緒に食べることは、こんなに幸せなのか

アレルギーを持つ子供たちは、自我が芽生えてくると、兄妹やお友達がおいしそうに食べているドーナツやシュークリームを、なぜ自分は食べられないのかわかりません。親も、なだめるのは大変。

私の子供時代も、クラスに一人くらいは食物アレルギーやアトピーの友達がいて、一緒にお誕生日を祝えない〈バースデーケーキを一緒に食べられない〉ことを悲しく感じた記憶があります。


外食や市販のお菓子も、卵や乳製品が使われていないものはほとんどなく、手作りレシピにも限界があり、親も子もそのストレスは相当なものだったと思います。

ビーガンスイーツの登場と進化は、そんな人々を救いました。

「生まれて初めてアイスクリームを食べました!」
「みんなで一緒に食べることは、こんなに幸せなのかと思いました!」

喜びの声が聞こえます。心からの笑顔が、見ている側までも癒してくれます。

どんなお菓子でも自由に、みんなで分けあって食べられる幸せなひととき。

ビーガンスイーツが、あらためて気づかせてくれました。

スイーツを食べる前の、あのワクワク感もおいしさのひとつ

スイーツって、見ためのファンシーさ、かわいらしさ、食べる前のあのワクワク感もおいしさの重要な要素。

ビーガンスイーツのクリエイティビティーは、味はもちろんですが、これまでのスイーツと同等、あるいはそれを超えるほどオシャレで美しいものが増えています〈写真は、ロービーガンスイーツ専門店「POSH」のタルト〉。

わざわざ、ビーガンスイーツであることをうたわないお店も増えています。

ビーガンも、ノンビーガンも、誰もが楽しめるスイーツ。

さらに、ビーガンスイーツのすごいところは、ギルトフリー(食べても罪悪感がない)。

食べて健康になる、食べてキレイになるなど、ヘルシーフードとしてのコンセプトも確立してしまった点。

実際に、人工的な香料や着色料を使わないカラフルなドーナツ、保存料や添加物不使用のクッキーやビーガンケーキ、麹や酵素を生かしたプリンや腸活デザートなど、進化が止まりません。

こんなにおいしくて、華やかでヘルシーならば、ビーガンスイーツを選ばない理由がないと思うのです。

海外に挑戦する企業も出てきた

ビーガンスイーツのおいしさを知って、私もライターとしてビーガンフードを広めたいと思った……といっても過言ではありません。まだ、試したことがない方は、ぜひ一度食べてみてほしいです。

コンビニやスーパーでも、ビーガン仕様のお菓子が見つかりますが、可能ならばビーガン専門店のスイーツをおすすめします。

素晴らしく甘美で、優雅なスイーツ体験ができるから。

ここで、おすすめのビーガンスイーツもご紹介しておきます。

ビーガンレストランの老舗「アインソフ」は、スイーツの味にも定評があります〈写真は、大人気のティラミス〉。都内に数店舗ありますが、オンラインストアなら地方の方でも購入可能。

そいみん。

究極に安心安全なビーガンスイーツを求めるなら、手作りが一番。

YouTubeでも、おうちで作れるビーガンスイーツレシピを数多く発信しているアインソフ。

2023年5月18日に、レシピ本『卵も乳製品も使わない!「アインソフ」が教えるヴィーガンスイーツ』が発売されます。今なら公式ページで、100名様にプレゼント企画を実施していますよ!

日本人が作る料理やお菓子の繊細な仕事は、海外でも高い評価を得ていますが、ビーガンスイーツで世界に挑戦する企業〈環境にもやさしいクッキーの専門店 ovgo baker(オブゴベイカー)〉も出てきました。

アメリカンクッキーの本場で、日本発のクッキーがどう評価されるのか、ものすごく気になります。

ほかにも紹介しきれないほどのビーガンスイーツが、日々、生まれています。いろいろ食べ比べして、お気に入りをみつけてください。

ビーガンパティシエや企業の努力に大感謝

子育て中のママにアンケートを行ったあるデータによると、3割の方が、何かしらの食物アレルギーを子供が持っていると答えています。大人になってアレルギーを発症する方も増えています。

現代は、食べ物の安全性が問題視され、アレルギーの要素もより複雑になってきています。

ビーガンスイーツがすべて安心とはいえませんが、食べられるものが見つかるかもしれません。一人でも多くの人が、ビーガンスイーツで笑顔になってくれることを願いたいです。

「みんなで同じものを一緒に食べられることが、どれほど幸せなことなのか」をあらためて気づかせてくれたビーガンスイーツ、最高。

パティシエや企業の開発努力にも、大感謝です。

※参照(※1)第90回 食物アレルギーの基礎知識│一般社団法人日本乳業協会 (nyukyou.jp)

※あわせて読みたい記事
・エッセイ vol.3 ~ビーガンはペットOK?動物を飼うことについて思うこと~は、こちら
・エッセイ vol.2 ~食べ物、食べることへの疑念~は、こちら
・エッセイ vol.1 ~ビーガンが教えてくれたもの~は、こちら