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フェアトレードで2050年の未来を考えてみよう

2023年5月12日より、渋谷スクランブルスクエアで開催されているポップアップイベントに行ってきました (主催はNPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン) 。

テーマは、「私たちの2050年とフェアトレード」。

フェアトレード製品の紹介や販売だけでなく、青山学院大学(渋谷4)総合文化政策学部「フェアトレード・ラボ」のメンバーや、フェアトレード活動に携わる学生たちが会場で接客するなど、フェアトレードの啓発を目的にした注目のイベントです。

ポップアップの様子とあわせて、フェアトレード製品の基礎知識、あまり知られていないコーヒー2050年問題についても解説します。

目次

  • 日本で販売されるフェアトレード製品は200種類以上
  • フェアトレード製品の認定基準
    • フェアトレード製品の価格
    • フェアトレード製品を選ぶメリット
      • フェアトレードジャパンのキャンペーン
      • 青山学院大学の取り組み紹介
  • 気候変動による食糧や飲料危機
    • コーヒー2050年問題
  • ポップアップに参加してみよう

日本で販売されるフェアトレード製品は200種類以上

フェアトレードとは、直訳すると「公平・公正な貿易」のことです。

一方、非フェアトレードの取引とは、市場価格や販売先などの情報格差により、末端の小規模生産者が安く買い叩かれる状況を意味します。

その結果、生産者の生活水準低下はもちろん、コスト削減を目的とした強制労働や児童労働、過度な化学農薬使用による自然破壊や生産者の健康被害など、深刻な問題を引き起こしています。

フェアトレードは、生産者に対して適正な価格で取引を行い、生産者の生活水準向上や地域社会の発展にも貢献します。

そいみん。

スマホが普及する前は、お店でフェアトレード製品と言われても、本当に生産者のサポートになっているのか、見えてこない状況がありましたよね。

誰もが情報を得られるようになった今、フェアトレード製品が選択肢のひとつとしてぐっと身近なものになってきました。

フェアトレード製品の認定基準

コーヒーや紅茶、チョコレート、バナナ、綿花などの農産物から、工芸品、衣料品まで多岐にわたるフェアトレード製品。

フェアトレード製品の認定は、国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)が定めた基準に基づいています。

生産者団体が認定を受けるための審査、製品が認定を受けるための審査が行われます。

フェアトレード製品の価格

フェアトレード製品の価格を見て、一般的な商品と比べて高いと感じたことはありますか?

これは、生産者が適正な価格で商品を販売できるようにするため=生産者の生活水準を守るために必要な金額であり、フェアトレード製品にはプレミアム (組合や地域の経済的・社会的・環境的開発のために使われる資金)が加算されるためです。

そいみん。

フェアトレード製品を販売する店舗や企業によっては、自社の利益を抑えた価格設定で、消費者にも配慮している場合があります。

適正価格とは何かを考えてみると、一概に高いとはいえません!

フェアトレード製品を選ぶメリット

フェアトレード製品を購入することで、生産者が適正な価格で商品を取引することや生活水準の向上が期待されます。

環境に配慮した栽培方法や労働環境の改善など、社会的・環境的な観点からもメリットがあります。

私たち消費者も、こうした製品を選ぶことで、健全な仕組みづくりに貢献できたり、遠い国の文化を感じるユニークな製品や希少なもの、こだわりの逸品を手にすることができます。

フェアトレードジャパンのキャンペーン

ミリオンアクションキャンペーン」は、フェアトレード月間である5月の1か月間に「商品購入」や「SNS投稿」、「イベント参加」などフェアトレードに関する100万回のアクションを目指すキャンペーン。

今年は200万アクションを目指しています。

青山学院大学の取り組み紹介

フェアトレード大学に認定されている青山学院大学は、2009年に「フェアトレード・キャンパス」という取り組みを開始しました。

フェアトレード製品の販売や啓発活動を行うことで、持続可能な社会の実現に貢献することを目的としています。

そいみん。

青山学院大学内にも、フェアトレード製品の販売を行う「フェアトレード・ショップ」があり、学生や教職員が利用しています。フェアトレードに関する講演会やイベントも開催されています。

気候変動による食糧や飲料危機

気候変動によって影響を受ける食品はたくさんあります。

例えば、米や小麦、トウモロコシ、大豆、野菜、果物など。海水温度が上昇すれば、魚介類の生息域が変化し、漁獲量が減少することも予想されています。

参照

全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA: Japan Center for Climate Change Actions)私たちの食物への影響について

コーヒー2050年問題

気候変動の影響により、コーヒーの栽培に適した土地が半減し、2050年までにこれまでの生産活動が存続できなくなるといわれているのが「コーヒー2050年問題」。

具体的には、コーヒー豆の原種であるアラビカ種の生産が、2050年には約50%ほど減少するといわれています。温暖化の影響で「さび病」が発生しやすくなり、品質低下も懸念されます。

また、コーヒー豆は主にブラジルやエチオピアなど、まだまだ経済が乏しい国で生産されています。

コーヒー農家の多くは小規模なため、生産量が低下してしまうと収入が安定せず、コーヒー生産から撤退を余儀なくさせられます。そうなれば、コーヒーの供給量も減少してしまうでしょう。

ポップアップに参加してみよう

SDGs疲れ、という言葉を耳にします。

たとえば、フェアトレード製品を選ぶこと=環境や社会にいい消費行動とはわかっていても、押し付けられるように感じたり、我慢に働きがちなのが、今の日本の残念な空気です。

しかし、今回のポップアップのように、少しでも意識を変えるためのきっかけづくりは、企業も個人も、どんな規模であっても、どこからでも始められます。

欧米のように、日本ではまだまだ市民の声を力にできていない、だからこそ変えるポテンシャルがあるとも考えられます。

気候変動についても、知れば知るほど、多面的な問題であることがわかり落胆するかもしれません。

まずはフェアトレードを例に、環境が脅かされると経済的弱者が苦しむという現実を知ることから始めてみるといいかも。

ポップアップは、今月23日まで。素敵なフェアトレード製品を楽しんだり、学生たちと一緒に、ちょっと真面目に、希望を持って、2050年の未来を考えてみませんか。

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