小麦の高騰が続くなか、オリーブオイルの大手メーカーが、家庭用と業務用のオリーブオイルを、5月から23〜80%値上げすると発表しました。2022年から続き、今回は23年10月以来4度目の値上げ。欧州での熱波や干ばつによる減産と在庫薄のためなのだとか。
また、今年2月の値上げは、パスタソースのようなパウチ常温食品を中心とした加工食品(643品目)が全食品分野で最も多く、調味料(545品目)も、だし製品やケチャップなどトマト加工品を中心に値上がりしています。
節約志向にならざるえおえない日々ですが、少しでもおいしく、健康的な食生活を送りたいですよね。
そこで、麺好きな私が、今ハマッている節約・時短・カンタンでおいしいプラントベースの麺レシピをご紹介します。
ビーガンはもちろん、とにかく節約したい方、麺が好きだが、塩分や糖質、カロリーが気になる方など、参考になると思います。
Contents
- パスタはメニュー選びと食べる量がポイント
- 塩もオイルもいらない、少量の水でワンパン調理
- 塩の代わりに使う調味料は、ひとつだけ
- 柚子胡椒
- めんつゆ
- 麺の量と調味料を減らして、野菜増し
- 塩分や糖分の摂取をおさえる野菜を合わせる
- 最後に考えたいのは、食のバランス
パスタはメニュー選びと食べる量がポイント
大鍋に2リットルの水、多めの塩
100gの麺
オリーブオイルで炒めた野菜やベーコン
たっぷりのトマトソース
一見ヘルシーそうなメニューですが、実際は麺だけで丼一杯分のごはんと同程度の量(220g~250g)を食べることになります。
塩分量は、茹でる際、野菜を炒める際、トマトソースを仕込む際(市販品には大量に入っている)と、思った以上に多く使います。
実はパスタは血糖値を上げにくい炭水化物として、ダイエット向けの食材ともいえるのですが、1食分の(麺)量が多いため、カロリーも糖質も高めになりがち。麺65gほどでも、230kcalとなり、ご飯1杯分(150g)の熱量と同じくらいです。
極めつけが、ソース。市販品のパッケージの裏側をみればわかりますが、動物性・植物性の油脂類が多く含まれます。全体のカロリーの高低を左右します。
塩もオイルもいらない、少量の水でワンパン調理
ある日、私は「塩」を切らしてしまいました。そのことを忘れて、帰宅するたびに「ああ、塩を買うの忘れた!」という日が続くなか、「塩なしで料理をしても、案外いけるんじゃないか?」と気づきました。そのきっかけになったレシピを今回ご紹介します。
フライパンひとつで料理を完成させる「ワンパン料理」。実践していらっしゃる方も多いでしょう。私がパスタメニューを作る場合は、普段から20センチのフライパンに200mlの水で65グラムの麺(1人前)を茹でます。
麺を茹でる際に、具材も一緒に煮込むので、最近ではオリーブオイルすら使わなくなりました。
↑上は100g、下が65g
沸騰させたお湯に、ロングパスタを2つに折って投入。塩は、使いません。
麺がアルデンテになった頃に、カットした野菜と調味料を入れて、汁気を麺や野菜に吸わせるように茹で上げていきます。
ワンパン料理は、カンタン、時短、水道代や電気代も節約できますね。
豆知識!袋を3㎝切った部分からパスタを取り出すと、およそ100グラム!
塩の代わりに使う調味料は、ひとつだけ
柚子胡椒
※(写真:アマゾン/フジジン 九州産 柚こしょう 無添加・無着色 調味料 60g)をチェックする
塩を使わないかわりに、何を使うか。私は、たまたま冷蔵庫に常備していた「柚子胡椒」を代用してみることに。
柚子胡椒は九州発祥の調味料で、原料は、唐辛子・柚子の皮・食塩。柚子の爽やかな風味とピリッとした辛味が特徴で、鍋の薬味としてよく使います。
塩分量は醤油と同程度、味噌よりはやや多め。柚子胡椒に多くの食塩が使われているのは、主に保存性を高めるためです。
ここで、日本人の食事摂取基準(2020年版)による成人の1日あたりの食塩摂取量の目標値を見てみると、男性 7.5g未満、女性 6.5g未満。
令和元年「国民健康・栄養調査」による、成人の1日あたりの食塩摂取量の平均値は、男性 10.9g、女性 9.3g。日本人は、日頃から、塩分過多になりがちなのですね。
ちなみに、柚子胡椒1gは、チューブ入りのものであれば長さ2cmくらいに相当します。製品によりさまざまで、なかには食塩不使用の無塩柚子胡椒といった商品もあるようです。
写真は、小ぶりなキャベツ、6分の1カット分。
狙いは、柚子胡椒を入れることで、料理全体の塩分量を減らすこと。辛味成分であるカプサイシンの効果をうまく利用することで、薄味の物足りなさをカバーすることです。
柚子胡椒による塩分の過剰摂取を防ぐには、柚子胡椒を一度に食べ過ぎないようにすることがポイント。
めんつゆ
※(写真:アマゾン)/菜食 つゆの素 たっぷり使える4倍希釈 プラントベース 動物性不使用 昆布 ヴィーガン ベジタリアン (900ml)をチェックする
和食はヘルシーと思いきや、塩や味噌や醤油を多く使うため塩分過多になりがちです。そこで、料理全体の塩分コントロールをしやすいのが、めんつゆ。
めんつゆの原料は、かつおや昆布のだしに、醤油や食塩を加えたもの。脂質がほとんど含まれずカロリーが低い調味料です。
たたし、砂糖やみりんがたっぷり含まれている場合は、糖質が高くなります。商品によって差が激しいので、購入の際は確認しましょう。糖質オフのめんつゆも販売されているので、上手く活用してみてください。
メーカーにより異なる塩分量ですが、目安としては、ストレートタイプのめんつゆなら、大さじ1で0.5gほど。3倍濃縮のめんつゆなら、小さじ1(5cc)で0.7g程度。(※濃口醤油の塩分量は小さじ1で0.9gほど)
今回は、麺を茹でているお湯の量と、野菜から出る水分を考慮し、濃縮タイプ小さじ2程度を使用しました。薄味に慣れていない方でも、大さじ1程度にしておきましょう。
麺や水の量は、さきほどと同じ。野菜はお好みでOK。柚子胡椒は辛いので大人向けですが、めんつゆバージョンなら、甘みがあるので、お子さまでも大丈夫!
肉の代わりに、厚めにカットした椎茸を入れて、食感をUPさせました。野菜がたっぷり入っているので、思う以上に、食べ応えがありますよ。
塩分過多が続き慢性的な高血圧となると、動脈硬化や腎不全、脳梗塞や心筋梗塞などの疾患につながるといわれています。
麺の量と調味料を減らして、野菜増し
パスタのカロリーや糖質を抑えたい場合は、とにかく麺量を少なめに。乾麺のパスタをゆでる場合、65gを目安にすれば約230kcal、ご飯1杯分(150g)と同じぐらいのカロリーになると覚えておきましょう。
血糖値の観点から見てみましょう。パスタはご飯やパンに比べて「GI値」という食後血糖値の上昇度を示す指数が低いことが特徴。GI値が高い食材を食べると血糖値が急上昇し太りやすくもなるため、パスタはこの点ではご飯やパンに比べて太りにくい主食と言えますが、量が増えれば、その意味がなくなってしまいます。
全粒粉のパスタを選べば、さらにGI値は低くなります!
塩分や糖分の摂取をおさえてくれる野菜を選ぶ
和食は、塩や味噌や醤油を多く使うため、塩分過多になりがち。ナトリウムは、カリウムとのバランスが大事であり、体の水分バランスを調整してくれます。つまり、カリウムを含む食材と合わせて食べることで、余分な塩分を排出してくれることが期待できます。
カリウムを含む食材例としては、海苔・昆布・水菜・イモ類・大豆など。どれも、手に入りやすい野菜です。
最後に考えたいのは、食のバランス
今回紹介したパスタだけでは、バランスに欠けています。麺や調味料を減らして、カロリーダウンした分、食物繊維を多く含む食材をつかったスープやサラダなどを合わせるのが、理想的です。そうすれば血糖値上昇が緩やかになり、体脂肪の合成が妨げられるのを期待できます。
具体的には、ミネストローネなどの野菜系スープ、スティック野菜や温野菜、海藻を使うサラダ類を前菜として先に食べてから、スパゲティーを楽しむのがベストです!
どんなにヘルシーでカラダに良い成分を含むものもでも、食べすぎたらカロリーの摂りすぎになり太るというのは、あたりまえ!