ある調査によると、ビーガンに興味を持っているという日本人の70%近くが、ビーガンに期待するポイントとして「健康志向」「アレルギー対応」「ダイエット」を挙げるそうです。
「環境問題」に関心を持つ人も増えてはいますが、そもそも「動物の搾取を避けるべきであるという主義」のもと、生活全般に動物性のものを避けるのがビーガンの本来の姿勢。
ビーガンであることを公表している海外の歌姫アリアナ・グランデ(Ariana Grande)さんや、マイリー・サイラス(Miley Cyrus)さんらも、ビーガンになった理由は動物愛護がきっかけだそうです。
本来の目的を知ることは、すなわちビーガン食の理解につながります。
【ビーガン基礎知識】シリーズでは、一般的な日本人の食生活を送っていることを前提として、これからビーガンの食生活に挑戦してみたい!という方に向けて、実践の前準備をお伝えしていきます。
ビーガンに興味がない方にも、身近な人がビーガンになったり、ビジネスで海外のクライアントと食事する機会が訪れた時に、ベーシックな知識として役立てていただければと願います。
【目次】
1. ビーガンが食べるもの、食べないものを知る
2. 自分の食事を一週間レコーディングしてみる
3. ビーガンの食生活に必要な情報収集を行う
3-1. お気に入りの店を見つけておく
3-2. 飲み会の誘いを断る文句を考えておく
3-3. すぐに食べられる果物やスナックを常備しておく
4. まとめ
ビーガンが食べるもの、食べないものを知る
ビーガンが基本的に避ける食ベものは、動物性食品、動物由来の原料を使った加工品、製造過程で動物が関与している食品や飲料、調味料などです。
食べてよいものは、タンパク源となる穀類や豆類、ナッツ類、ビタミン豊富な果物、野菜や海藻類、ビタミンDを多く含むキノコ類など。
ほとんどのお酒は飲んでもOK、肉のかわりに大豆や野菜などの植物性原料で作られた代替肉や魚も大丈夫です。
ただし、一見、植物原料だけのように思える食べものの中にも、実は動物由来のものが絡んでいる場合があります。
【一例】
ゼラチン→牛や豚の骨や皮に多く含まれるコラーゲン(タンパク質)から作られたもの。ゼラチンが使われているグミやゼリーはNG。
蜂蜜→蜂の働きによって得られたものを人間が奪ってはいけないという考え方のためNG。
カップ麺→動物の骨由来のスープはNG。カツオやサバなどの出汁を使うみそ汁や蕎麦つゆもNG。
白砂糖→食品の製造過程で骨炭濾過を行なっている。動物の犠牲を伴うのでNG。
自分の食事を一週間レコーディングしてみる
食に恵まれた日本では、普段食べている甘いスイーツや脂たっぷりのステーキなど、“おいしいもの” の中には必ずと言っていいほど動物性原料が含まれています。菜食中心のスタイルがなかなか浸透しない理由のひとつかもしれません。
「肉を食わないなんて、ありえない!」「体を壊すんじゃないのか!」肉や魚はもちろん、乳製品や動物性の食品すべてを口にしない…と聞くと、ビーガンはハードルが高過ぎると誰もが感じるでしょう。
確かに、いきなり知識もないままビーガンの食生活を始めてしまうと、動物性食品に多く含まれるタンパク質やカルシウムがすぐに不足したり、栄養失調や頭痛、脱毛、貧血などの体調トラブルを引き起こしかねません。
ある程度、栄養学の勉強も必須です。ビーガンの食生活では、これまでとは違い、食品の選択肢が少なくなり苦労することもあります。身体の変化が現れるスピードも、人ぞれぞれです。
ビーガン生活を始める前に、あなた自身がどれだけ動物性食品に依存しているかを確認しましょう。元々お肉が大好きな人にはかなりつらい食生活になるかもしれませんが、日本人は元来、菜食中心の生活をしていたのです。やってみると、案外、なじむかもしれません。
一気にビーガンの食生活を目指すのではなく、できるところから少しずつ慣れていくことが、理想の食生活への一番の近道です。
ビーガン生活に必要な情報収集を行う
ビーガンの食生活で最も気をつけたいのは、栄養素が偏らないようにすることと、完璧を求めすぎないことです。ストレスを溜めないように、楽しみながら続けることです。
どの食材にどのような栄養が含まれているか、また効果的な食材の組み合わせ方、食べ方などの知識については、栄養学の本を読んでみたり、実際にビーガンの人たちがどのようにして栄養バランスに気を付けているのかを日々調べてみましょう。
まじめな方ほど、ストイックになり過ぎてしまい、挫折したりアンチビーガンなってしまう例にも少なくありません。
体質的にビーガンが合わない方や、すでに医師から食の制限を指示されている方にはオススメできません。あたりまえですが、ビーガンの食生活が、すべての人にとって最高の選択でもありません。
お気に入りの店を見つけておく
家や勤務先からなるべく近いビーガンレストランやカフェを見つけておきましょう。まずは、ビーガン料理ってどんなものなのか、食べてみないことには始まりません。
近くにお店がない方は、ネットショップを利用してみてはいかがでしょうか。専門店なら知識がなくても安心して購入できますし、楽天やアマゾンでもビーガン対応食品を取り扱っています。
飲み会の誘いを断る文句を考えておく
非常に残念なことですが、ビーガンを目指すなら、一般的なつきあいが難しくなるのは仕方ないとあきらめてください。
現状の日本では、ビーガンオプションのある飲食店は少なく、ビーガンに対する偏見も根強いです。「ビーガンなんてめんどくさい」などと、冷たい言葉を浴びせられるかもしれません。
友達や家族のサポートが得られるのが望ましいですが、それが叶わなくても落ち込まないで。
ビーガン食を取り入れることは、自分のためであり、未来の環境のためでもあり、生き物にもやさしい素晴らしい選択であることは、世界中で認められているのですから。
完璧を目指さなくていいのです。「外食だけは、何を食べてもいい」と自分でルールをつくるのも構いません。無理をしないことが大切です。
すぐに食べられる果物やスナックを準備しておく
最近では、コンビニでも手に入るドライフルーツやナッツ、シード(種)やプラントベースのエナジーバー、干し芋や甘栗など、ビーガンでも食べられる食品やお菓子が増えています。
白砂糖や乳製品を使わないビーガンマフィンやクッキーなども味方にしましょう。
ちょっと小腹が空いた時につまめる食べ物があると、精神的なストレスがありません。
コンビニやスーパーでも手に入るおやつの記事は、こちら
まとめ
常に栄養バランスに気を遣わなければならないビーガンの食生活。
食べたいものがビーガン仕様なのかどうかもチェックしなければならない、通常の商品より値段が高いなど、ビーガンビギナーは不安やとまどいがつきまといます。
でも、ほとんどのことは、少しずつ解消されていきますので安心してください。自分にあうビーガンの食生活を取り入れることは、想像するよりも楽しく、クリエイティブ。
これまで気づかなかった自分のこと、身体だけでなく心の健康にも良いインパクトを与えてくれるかもしれません。今後もビギナーのあなたに寄り添ってお話していきます。
参照:マイナビニュース/ヴィーガンを認知している人は約8割- ヴィーガンに興味をもつポイントとは?/https://news.mynavi.jp/article/20210921-1978395/
ビーガンについては、ネットでキーワードを検索するだけでもかなりの情報が出てきますが、海外サイトのほうが情報が早いです。日本であれば、国や法人、コミュニティ団体や医療系の専門サイトなどで、ビーガン食に関する調査データやエビデンスに基づく研究発表をウォッチできます。