最近、プラントベース(Plant based)という言葉をよく耳にしませんか?
ベジタリアンやビーガンと関係する部分もあるので、どう違うのかわかりづらいですよね。
SDGsが叫ばれる中、今後ますます注目される「プラントベース」または「プラントベースフード(食品)」を解説します。
ビーガン、ベジタリアン、プラントベースの違いもおさえておきましょう。
【目次】
- プラントベース、ビーガン、ベジタリアンの違い
- プラントベースはサステナブル(Sustainable)
- プラントベースフードにはどんなものがあるか
- プラントベース、ビーガン、ベジタリアンのメリット・デメリット
- まとめ
プラントベース、ビーガン、ベジタリアンの違い
ベジタリアンは肉の摂取をしない菜食主義。
ビーガン(ヴィーガン)は、動物由来の食べ物を一切摂取しない完全菜食主義です。
ベジタリアンもビーガンも、環境のため・動物を苦しめないためなどの倫理的な考え方がベースにありますが、ビーガンの場合は特に、動物の尊厳を重視し搾取しないことが目的であり、食事以外の生活スタイル全般においても動物由来のもの(たとえば毛皮や、動物実験を行う化粧品など)を避けるという大きな特徴があります。
プラントベース(Plant based)とは、単に環境面や健康面を考慮して植物由来の食品、あるいは大部分が植物性の食事を選ぶことです。※100%植物性とは定義されていません
もう少し補足しますと、プラントベースとは「植物由来の」「植物ベースの」という言葉そのものの意味と、植物性食品を積極的に選ぶ食生活のこと。
植物由来の原材料を使って畜産物や水産物を再現している食品、いわゆるフェイクフードや代替フードなども指します。
プラントベースは、サスティナブル(Sustainable)
新型コロナウイルスの発生以降、食への意識が劇的に変化したと言われています。
SDGsが世界中のテーマとなり、地球環境への負荷が少なくサスティナブル(持続可能)なフード=プラントベースフードの開発が進んでいます。
家畜のエサや飼育に必要な水資源、電力エネルギーなどは多くのコストがかかりますが、動物性食品にくらべて植物性食品は、地球環境にかかる負荷が軽くて済みます。
牛のゲップから発生するメタンや排泄物に含まれる一酸化二窒素は、温室効果ガスの一種。地球温暖化の要因としても問題視されていますよね。
2050年までには97億人、2100年には109億人にのぼるといわれている世界人口、肉や魚の供給量が追いつかないと懸念されています。
プラントベースがサスティナブルフードとして重要視されているのですね。
プラントベースフードにはどんなものがあるか
“プラントベース食品とは、植物由来の原材料を使用し、畜産物や水産物に似せて作られているもの。たとえば、大豆や小麦などから、肉、卵、ミルク、バター、チーズなどの代替となる加工食品があります” 消費者庁
大豆やエンドウ豆を加工して作る代替肉「大豆ミート」「べジミート」「フェイクミート」。
アーモンドミルク、オーツミルク、ライスミルクなどの牛乳に代わる植物性ミルク。
豆乳やココナッツオイルから作られるビーガンバターやソイチーズ。
野菜やこんにゃくから作った代替魚。
卵の代替品であるプラントベースエッグ。
飲食店や専門店も積極的に取り入れはじめています。
プラントベース食品とうたわれていても、実は原材料や食品添加物に 動物由来のものが含まれている可能性があります。アレルギーや食の制限がある方は注意してね!
プラントベース、ビーガン、ベジタリアンのメリット・デメリット
プラントベースを含む菜食スタイルが、地球環境にやさしいというメリット以外にも、動物性食品を摂り過ぎている人にとっては食事の内容を植物性食品に置き換えることで、健康面に良い影響があることが挙げられます。
逆に、間違った知識で行うと、必要な栄養素が不足してしまう危険性があります。
また、いくらプラントベース食品だからといって、化学肥料にまみれた作物や必要以上の添加物からできた加工品、精製された砂糖や漂白された小麦のパンなどを頻繁に摂っていては、健康に良いとは言えません。
言葉だけを信じるのではなく、品質についても意識的になる必要があります。
まとめ
よく混同されがちなプラントベース、ビーガン、ベジタリアン。
ビーガンは「どう生きるかという、思想を持つライフスタイル」なのに対し、プラントベースはあくまでも「どう食べるかという食のスタイル」であること。
「ヘルシーな食生活にしたい」「動物を犠牲にする食事をやめたい」「できれば環境にやさしい食品を選びたい」といったそれぞれの考え方により、ベジタリアンやビーガン、プラントベースの選択肢があることを解説しました。
今の食生活を見直したいとお考えの方に、参考にしていただければと思います。
参照:消費者庁/プラントベース食品って何?https://www.caa.go.jp/notice/other/plant_based/assets/representation_cms201_210820_01.pdf
消費者庁/プラントベース食品関連情報/
https://www.caa.go.jp/notice/other/plant_based/
参照:植物性料理研究家協会/知っておきたい!プラントベースのメリットとデメリット https://plant-origin.org/plantbase-merit/
旭硝子財団/
失われゆく生物多様性。絶滅の危機を止めるには、農業と食習慣を変えること〜2020年受賞者・デイビッド・ティルマン教授に聞く、プラントベースの重要性〜
https://www.af-info.or.jp/af_magazine/013.html
※ビーガンの基礎知識①は、こちら
日本の精進料理、魚介と野菜中心の地中海料理、インドの伝統的なベジタリアン食などもプラントベースということになりますね。