ブイクック「ヴィーガン攻略サイト」(β版)にて、ヴィーガンのプロ達にリレー取材をしました!記事をチェック⇒

トロけない、まずいと噂のヴィーガンチーズは劇的進化。一般的なチーズと区別がつかないかも!

チーズは、牛乳をはじめとする動物性のミルクを主原料として作られるもの。もともとチーズが嫌いな方や、乳製品アレルギーの方、宗教で食に制限を持つ方などにとって、選択肢にはなかった食べ物です。

ビーガンやプラントベースの食生活に注目が高まる中、植物性原料のチーズがスーパーでも置かれるようになってきました。あなたは、もう試されましたか?

動物性よりも環境負荷が低く、サスティナブルでヘルシーとされる植物性原料のヴィーガンチーズは、見た目や使い方はこれまでのチーズとほぼ同じ。

健康志向の高まりからもヴィーガンチーズを選ぶ方が増えつつある中、味については少々キビしいコメントもみられますが、クオリティは間違いなくアップしています。

【目次】

  • ヴィーガンチーズの最新技術
    • 世界初の米粉チーズって何?
  • ヴィーガンチーズの種類
    • ヴィーガンチーズの原材料
    • ニュートリショナルイーストとは
  • ヴィーガンチーズの栄養
    • ヴィーガンチーズは、まずい?
  • ヴィーガンチーズの選び方と口コミ評価の高い商品
    • ヴィーガンカッテージチーズ
    • ヴィーガンクリームチーズ
    • ヴィーガンシュレッドチーズ
    • そのほかのチーズ風製品
  • まとめ 

ヴィーガンチーズの最新技術

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世界では、すでに「新しい食品」としての地位を確立している「ヴィーガンチーズ」。

従来のチーズの特性を模倣する研究開発から、チーズとは違う新たな製品としてのアプローチを含め、ヴィーガンチーズの市場規模は、2022年から年平均成長率12.6%。2030年には71億米ドルに達すると予測されています。

アジア太平洋地域は、植物由来のベーカリーや製菓製品の需要が高まっており、今後数年間はヴィーガンチーズを含む製品の販売に拍車がかかることが予想されます。日本でも徐々に広まっていますね。

世界初の米粉チーズって何?

小麦などの価格高騰が続く中で注目されている「米粉」。

卸大手の神明グループは、米粉から作るチーズ風食品「ライスチーズ」の本格生産を始めると発表しました。米粉からチーズ用食品を創り出すのは世界初の技術!

ライスチーズは国産のうるち米ともち米のほか、植物油や酒粕が原料で、乳製品不使用。

酒粕を使うことでチーズ特有の香りを再現し、さらにお米から抽出したタンパク質を、独自の技術で分解したうまみ成分(アミノ酸)を加えることで、濃厚なコクや酸味を再現しているそうです。

ヴィーガンチーズの種類

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ヴィーガンチーズは、ビーガンのためだけでなく、乳製品アレルギーの方や健康のために動物性原料の食品を摂らない方などにとってのチーズ代替品でもあります。

宗教面でも、スコットランドのSHEESE商品のようなコーシャ認証(ユダヤ教の食事規定に適合した食品であり、原料など品質が確かという証し)を受けた安心のヴィーガンチーズも登場しています。

ヴィーガンチーズの種類についても、トッピング用や粉チーズ風、塗るタイプのスプレッドチーズやクリームチーズ、スライスされたチェダーやモッツアレラなど本物と同じくらい豊富になりました。

ネットでは、多くのレシピを見つけることができます。

ヴィーガンチーズの原材料

ヴィーガンチーズに使われる原料は、牛乳の代わりに「豆乳」や「アーモンドミルク」、「ココナッツミルク」などの植物ミルク。油は、オリーブオイルやココナッツオイルなどの植物油です。

一般的なチーズと同じような発酵をさせるためには「ニュートリショナルイースト」や「酒粕」「味噌」などを加えます。

どんな豆やナッツを使うかによっても、味が大きく変わってきます。

火を通さずにできるだけ簡単な手順で作れるチーズレシピは山ほどあり、家庭で作れば自分好みにさまざまなアレンジが可能です。

ニュートリショナルイーストとは

ヴィーガンチーズを作るためには、黄色のパウダー状の「ニュートリショナルイースト」が多用されます。サトウキビなどの糖蜜で発酵させた酵母です。

サラダに振りかけたり、スープに入れたりします。海外ではポピュラーであり、日本でいうところの味噌のような使い方もするようです。

ニュートリショナルイーストは、チェダーチーズのような風味を出すことができるので、本物のチーズに近いものを作るためには重要な食材。

また、ヴィーガン食に不足しがちなビタミンB群(特にB6やB12)を含む栄養食品であるため、サプリメント的に摂取しているビーガンも多くいます。

ヴィーガンチーズの栄養

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チーズがとろけたり、伸びたりするのは、ホエイとカゼインという2つのタンパク質によるもの。ヴィーガンチーズは、これらタンパク質の代わりにナッツや穀物、油脂、ココナッツオイルやじゃがいものでんぷんなどを使用。

さらに、植物性食肉の分野で使われている発酵技術に似た方法で、より本物に近い製品の研究開発が進んでいます。

アレルギーの一例として、カゼインという乳タンパクが原因で、リーキーガット症候群や便秘、下痢、腸内環境の悪化から肌荒れや倦怠感が生じたり、花粉症の症状が悪化するという報告があります。

その点、100%植物性のヴィーガンチーズはカゼインが入ってないのはもちろんのこと、一般的なチーズにはない食物繊維、植物性タンパクが豊富。低脂肪でグルテンフリーです。

ヴィーガンチーズは、まずい?

ヴィーガンチーズは、まずい?ネットでは、いくつかのネガティブなコメントがありますね。

ヴィーガンチーズは、豆腐や豆乳のような味や香りにクセがない植物性原料で作られています。チーズ風味になるように添加物でコクや風味をプラスしても、乳製品を使う本物のチーズと比べるとシンプルかつあっさりとした味わいになります。

また、見た目はそっくりなスライスチーズも、ピザやトーストに使うと「伸びない」「とろけない」ことが、チーズ好きをガッカリさせてしまう原因にも。

チーズ好きな方にとっては、物足りないと感じるヴィーガンチーズですが「新しい食品」と捉えると、そこまで悪い評価にはならないかもしれません。

そいみん。

もちろん、消費者の要望をくんで一層チーズに近付くために、生産者やメーカーは技術革新を続けています。本物のチーズと遜色ないと好評の製品も次々と登場していますので、次にご紹介します。

ヴィーガンチーズの選び方と口コミ評価の高い商品

モッツアレラチーズ風の発芽玄米加工食品

ヴィーガンチーズの選ぶ際は、普通のチーズと同様、作る料理やレシピにあわせて形状を選びましょう。(例:ピザやグラタンであればシュレッドタイプ、チーズケーキなどのお菓子作りにはブロックタイプやクリームタイプなど)

ヴィーガンチーズをそのまま食べるときには、まずは好みで選ぶといいでしょう。

牛乳などの動物性の乳製品を原料としたチーズに比べて、まだまだ価格は割高。そのため、ヴィーガンチーズをたくさん使用する家庭では、購入しやすい価格で選ぶのもポイントです。

そいみん。

加工食品は添加物が多く入っているものがあるので、注意してください。
乳製品ではないのに本物のチーズと混乱を招くという理由から、「チーズ」いうワードが使われないヴィーガン向け製品もありますので、購入の際にはパッケージや原材料表記をよく確認しましょう。

ヴィーガンカッテージチーズ

最もシンプルなチーズといえば、カッテージタイプ。簡単に作ることができるだけではなく、味もクセがないです。サラダに振りかけたり、サンドイッチに挟んだりと様々な用途で使うことができます。ネットでレシピを検索してみましょう!

ヴィーガンクリームチーズ

そのままパンに塗ったり、好みのナッツやハーブとミックスしてディップとして楽しめるクリームタイプ。自分好みのフレーバーで簡単に手づくりでき、レシピもたくさん見つかります。

市販のものでは、大手スーパーでよく見かけるようになった乳原料・乳糖・ナッツ不使用のViolife(ビオライフ)のCREAMY(クリーミィ)や、ナチューリの有機スプレッドが人気です。

ヴィーガンシュレッドチーズ

ピザには欠かせないシュレッドタイプのチーズ。

相模屋 BEYOND TOFU ピザ・シュレッドは、ピザトースト、グラタンなどの加熱料理にピッタリ。

マリンフーズ私のヴィーガン97%植物シュレッドは、食物アレルギー特定原材料等28品目不使用で、アレルギーが気になる方におすすめです。

大手「トップバリュ」が販売する豆乳とココナッツオイルからつくったまろやかシュレッドも、「普通のチーズと比べても謙遜ないレベル」「その名の通りまろやかで美味しい」など、口コミ評価も高いです。

そのほかのチーズ風製品

「食のかけはしカンパニー」の「まるでチーズな島どうふ」は、沖縄の島どうふを麹で熟成。燻製タイプの島どうふチーズは、桜材で燻製。見た目も本物の燻製チーズのようです。

豆腐からできているので、脂肪が少なくヘルシー。さっぱりした口当たりで、カロリーオフしたい深夜のお酒のアテにいいかも!

濃厚でコクがあるブロックタイプ「BEYOND TOFU」は、削ってパスタなどに振りかけたり、加熱してとろけるチーズのように使えます。

まとめ

写真はイメージです

ビーガン生活を選ぶ理由で一番多い動機としては、動物倫理といわれています。

ビーガンになりたいけど、チーズが好きな人にとっては、乳製品から作られるチーズが食べられなくなるのは悲しいですよね。

乳製品の代わりに、豆乳や豆腐、アーモンドなどのナッツ類からできた代替チーズの開発が勢いを増しています。これまでチーズが食べられなかった方々も、みんなで一緒にピザやグラタンが囲めるようになるのは、素晴らしいこと。

食物繊維も豊富で、低カロリーなのも魅力。本物のチーズと遜色ない味わいと評価される製品も出てきました。まだ試したことがない方は、ぜひチェックしてくださいね!