ドイツは世界有数のパン大国で、パンの種類も1,500種類以上、国民一人当たりの年間消費量は約80Kgと言われています。
ドイツのパンはブロート(大型でスライスして食べるタイプ)とブローチェン(小型パン)に大別され、ライ麦100%ものから小麦粉主体のものまで様々。
また、ライ麦を使用したパンは通常サワー種を使用するため、酸味が強いことが特徴です。
健康食ブームで、グルテンをひかえることや、栄養をきちんと摂取したダイエットが推奨されるなか、少量でも健康維持に必要な栄養成分が摂れるライ麦パン、いろいろな種類を試したり、食べ方についても知りたいという人もいるでしょう。
今回は、ライ麦パンのおいしい食べ方や保存方法、都内のおすすめドイツパン専門店をご紹介。
【目次】
- ドイツパンの食べ方
- スライスも、おいしい食べ方に関わってくる
- 常温・冷凍保存、解凍方法
- 相性の良い食材
- 都内のドイツパン専門店
- ベッカライカフェ リンデ 吉祥寺店
- ドイツパンの店 タンネ(日本橋浜町)
- ベッケライ テューリンガー ヴァルト (湯島)
- まとめ
ドイツパンの食べ方
ライ麦パン・黒パンは、独特の酸味とライ麦の香ばしい香りが特徴です。
ドイツのパンはライ麦100%ものから小麦粉主体のものまで様々あり、ドイツ食品法典でパン製品の定義が細かく規定されています。
小麦粉の割合の多いものから順に「ヴァイツェンブロート」「ヴァイツェンミッシュブロート」「ミッシュブロート」「ロッゲンミッシュブロート」「ロッゲンブロート」の5種類に分けられます。
「ブロート」は「パン」、「ロッゲン」は「ライ麦」、「ミッシュ」は「混ぜる」という意味。
使用するライ麦の量によって、酸味や食感が異なります。伝統的なライ麦パン・黒パンは、食感・味が白パンと大きく異なるので、初心者には抵抗があるかもしれません。
スライスも、おいしい食べ方に関わってくる
ライ麦パンの切り方は重要です。パンに含まれるライ麦が多いほど、ずっしりと重く酸味も強いため、ライ麦粉比率が多いパンは薄くスライスしたほうが食べやすく、逆に小麦粉の割合が多いものは厚めにスライスでOK。
例:ライ麦比率50%であれば10mm、ライ麦比率100%であれば5mmなど
購入する際は、できれば塊のままで。カットしてから時間が経つと、乾燥し風味が落ちてしまうため、毎回食べる分だけスライスして使います。
常温・冷凍保存、解凍方法
塊のまま紙袋で包み、一週間くらい常温で保存ができるライ麦パン・黒パンですが、スライスして冷凍すれば長期保存もできます。その場合は、スライスしたものを一枚ずつラップしてから冷凍してください。
食べるときは数時間前から自然解凍させるか、冷凍のパンを温めたオーブントースターで焼き戻しすればOK。食べる直前に電子レンジで8~10秒くらい温める程度でおいしく味わえます。
相性のよい食材
ドイツパンの独特の酸味が好きという方は、そのままスライスして何も付けずに食べるのも良いでしょう。
逆に酸味をもう少し抑えて味わいたいという方には、味の濃い食材と一緒に食べると酸味が穏やかに感じるようになります。
ドイツパンには油があまり含まれておらず酸味があることから、ビーガンバターを塗ったり、ビーガンチーズと合わせるとよりおいしく食べられます。
ビーガンハムや野菜のパテ、ピクルスなどをのせ、塩こしょうで味つけしたドイツ流のオープンサンドや、ライ麦パンを2枚スライスして、野菜を挟んでサンドイッチにしてもおいしいです。
甘い系がお好みなら、ヘーゼルナッツの入ったチョコレートペーストやピーナッツバターなどの濃厚な甘さのクリーム、フルーツジャムやコンフィチュールなどをのせてみて!おやつにも、おつまみにもピッタリです。
ほかにも、野菜や豆、キノコなどを使った具だくさんのスープやサラダと組み合わせると、栄養バランスがいいですね!
都内のドイツパン専門店
ベッカライカフェ リンデ 吉祥寺店
リンデの愛称で知られる、「ベッカライカフェ リンデ 吉祥寺店」。
東京都内を代表するドイツパンの専門店であり、わざわざ訪れたい名店ですが、地元住民の生活に欠かせない商店街の中にさりげなく溶け込むように存在しているのが素敵すぎます!
リンデの特徴は、なんといっても食事用のブロートが多種類用意されていること。1階の店舗でパンを購入したら、2階のカフェスペースでドリンクとともに味わうことができます。
ライ麦の量が異なるものを、いろいろ試すことができます。手頃な価格で買えるのも魅力。
お試しにピッタリな、数種のドイツパンが入ったお得なセットもあります。※ただし、卵や乳製品を使ったパンもあるので、ビーガンの方はお店のスタッフに確認してください。
吉祥寺の店舗の他にも、百貨店の催事や有名スーパーで販売していることがあるので、見つけたら是非、買ってみてください!
ドイツパンの店 タンネ(日本橋浜町)
ドイツパンの店タンネは、1993年創業のドイツパンの名店。南ドイツで食べられているパンを中心に作っており、大型のブロート、プレッツェルなどの小型のドイツパンのどちらも種類が豊富です。
食事用だけでなく、デニッシュ生地で作った甘い菓子パンやドイツの伝統菓子、季節限定の商品も人気があり、本格的なドイツのスイーツが食べられます。
こだわりの本が並んだカフェスペースも併設しています!公式サイトでドイツパンの通販も行っていますよ。
ベッケライ テューリンガー ヴァルト (湯島)
「ベッケライ テューリンガー ヴァルト」は、清水坂という坂の途中の脇道にあり、知る人とぞ知る穴場のお店です。
ドイツ人の職人さんが、本場ドイツの製法そのままに作るパンは、日本人によい意味で媚びないところが自信をうかがわせます。
一人ずつ店内に入って、パンを選ぶような小さなお店ですが、ドイツ人デザインのロゴやディスプレイの絵もかわいくて、素敵な空間。
店主のレシピによる、ここでしか味わえないドイツパンがあります。湯島天神や神田明神にお越しの際は、ぜひ、のぞいてみてください。
まとめ
噛むほどに感じられる独特な風味と素朴な味わいが魅力的なライ麦パンは、小麦だけのパンより食物繊維が豊富で、特に水溶性食物繊維が多く、ビタミンや栄養も豊富です。
しっかりとした噛み応えのため、他のパンに比べて食べ終わったときの満足感が得やすいのもいいですね。
ライ麦比率に合わせてスライスの厚さを変えるのが、ライ麦パンをおいしく食べるポイント。軍隊の携帯食として作られていたこともあり、保存ができるのも特徴です。
初心者なら、ライ麦粉100%のものよりも、ライ麦粉の割合が全体の10%以上50%未満の「ミッシュブロート」から慣れていくとよいでしょう。
塊で購入したパンは、上手に保存しましょう。冷凍の場合は、カットしたあと一枚ずつラップして保存すれば3か月持つそう。
食べるときは、焼き目がつかない程度に軽く温めるだけで十分ですよ!
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