日本では、まだ興味を持つ人すら少ないと思いますが、世界ではビーガンの生まれた国であるイギリスを皮切りに、ビーガンフレンドリーを掲げるワインの作り手が増えています。
ビーガンワインとそうでないワインは、いったい何が違うのでしょうか。
【目次】
- ビーガンワインと一般的なワインの違い
- 清澄剤のいろいろ
- ビーガンフレンドリーなワインとは
- 自然派ワインはビーガンワイン?
- ビーガンワインの選び方
ビーガンワインと一般的なワインとの違い
ワインは、ぶどうが原料のお酒ですが、ビーガンとそうでないものがあります。
理由は、ワインの製造工程にあります。
発酵したワインは、酵母の死骸や澱(おり)と呼ばれる不純物が浮遊して濁っているので、
透明度を高めるために「清澄」します。この清澄のプロセスで動物性の素材が使われるのが一般的です。
清澄剤のいろいろ
清澄剤(せいちょうざい)には、ミルクに含まれるたんぱく質「カゼイン」や卵白、動物由来のゼラチンや魚のうきぶくろなどがあります。ワインとして商品になる前には澱とともに取り除かれるもので、身体に害はないといわれていますが、わずかに成分が残っている場合もあるのでアレルギーを持つ方は注意が必要です。
厳格なビーガンも、こうした動物性の清澄剤が使われたワインを飲みません。
ビーガンフレンドリーなワインとは
実は、清澄剤の中にも、動物性でないものがあります。
例えば、
- ベントナイトや珪藻土(けいそうど)などの鉱物性のもの
- 豆やじゃがいものたんぱく質など植物性のもの
清澄も濾過も行わないものも含めて、こうしたワインはビーガンフレンドリーです。
自然派ワインはビーガンワイン?
ブドウの栽培、自然酵母を使った発酵、瓶詰に至るまで、できるだけ自然に近い形で作られる自然派ワイン(いわゆるヴァンナチュール、ナチュラルワイン)があります。
基本的にはケミカルな肥料を使わないオーガニック農法で作られますが、酸化防止剤の使用や濾過、清澄の工程を採用するかしないかは造り手によってさまざまです。
葡萄をどのようなワインにしていくかが製品の個性=醸造家の個性であり、その面白さや味わいが一部のワイン愛好家の間で人気です。
あえてビーガン認証もオーガニック認証も取得していないワイナリーも多く、自然派ワイン=ビーガンワインとは必ずしも言えません。
ビーガンワインの選び方
無清澄であるかどうかは、製品ラベルに記載がありません。では、一体どうやってビーガンワインを見つければいいのでしょうか。
お店のスタッフに無清澄であるかどうかを尋ねるのもひとつですが、ビーガン認証を受けている(マークがついている)ものを選ぶと間違いがありません。
大手スーパーやワインの取り扱いが多いお店に置かれているものは、1,000円前後のカジュアルなものが多いので、初心者でも試しやすいでしょう。
実際のところ、veganマークのついたワインを扱っているお店はまだまだ少ないです。ゆるビーガン、あるいは身体にやさしいという点から「ユーロリーフ」や「エコサート」などの有機認証を受けているワインを選ぶのもオススメですよ。
VINOTERAS/自然派ワインとは?話題の「オーガニックワイン」、「ビオワイン」、「ヴァンナチュール」の違いについて簡単解説
https://vnts.jp/wine-basic/11829