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ビーガンも避けるパーム油、ココナッツオイルとの違いは?ココナッツオイルの美容効果は?

環境にやさしい選択を心がけているビーガンのあなたなら、パーム油の問題をご存じでしょう。

しかし、一般的には「ココナッツオイル」と「パーム油(パームオイル)」の違い、パーム油の何が問題とされているかを知らない方も多くいらっしゃると思います。

おすすめの食用油をご紹介した記事では、あえて取りあげなかった「ココナッツオイル」。

実は素晴らしく万能で、環境にもやさしく身体への負担も少ない超おすすめのオイルだから、あらためてお話したかったのです。噂の美容効果にも迫ります!

【目次】

  • パーム油とココナッツオイルの違い
  • パーム油と環境問題
  • ココナッツは捨てるところがない!
  • ココナッツ製品
    • 主なココナッツ食品
  • ココナッツの栄養
  • ココナッツオイルの選び方や使い方
  • ココナッツオイルの美容効果とは?
  • まとめ

パーム油とココナッツオイルの違い

パーム油もココナッツオイルも、どちらもヤシ科の植物から採れる「ヤシ油」です。

パーム油は、背丈の低い「アブラヤシ(写真上)」、ココナッツオイルは背の高い「ココヤシ(写真下)」から採取されます。

ちなみに、南国の海のそばにココナッツが生育している風景はおなじみですが、ちゃんと理由があります。大きな波による内陸への被害を抑える、防波堤のような役割を果たしているのです。

パーム油と環境問題

世界のパーム油生産の85%を占めるインドネシアやマレーシアでは、パーム油生産にまつわる環境負荷や生態系の損失などが大きな問題となっています。

パーム油は劣化が早く、実の収穫後すぐに圧搾して油を抽出しなければならず、アブラヤシの林の中に圧搾工場を建設します。

森林を伐採して作り出された広大な土地に工場が建てられるため、そこに住む動物たちにも当然影響が及びます。

さらに、栽培から数年で土壌がやせてしまうため、別の土地に同じようにプランテーションを建設します。使いものにならなくなった土地は焼き払われ、「ヘイズ」と呼ばれる煙害も動物だけでなく住民に被害を及ぼしています。

これ以外にも、強制労働や児童労働、違法な操業や汚職など、さまざまな問題を抱えています。

参照:パーム油調達ガイド/パーム油の問題点

「ココナッツ」は捨てるところがない!

ココナッツは、実を採ってすぐにオイルを圧搾する必要がなく、工場がそばになくても問題ありません。

土地の寿命も長く、実や殻、葉っぱ、幹などもすべて活用でき、用途の広い植物です。

ココナッツの主な産地は、インドネシア、インド、フィリピンです。

参照:グリーバルノート/世界のココナッツ生産量 国別ランキング・推移

ココナッツ製品

ココナッツオイルは、ココヤシの果実の中にある大きな種子の胚乳から抽出されて作られます。

ココナッツオイルの精製方法は、大きく分けて化学製法とオーガニック製法の2つ。抽出法だけでも、国やメーカーなど何通りもやり方があるようですが、それぞれに味や風味、栄養分も異なります。

おすすめは、やはりオーガニック製法で作られる「ヴァージンココナッツオイル」。精製を行わず、低温で圧搾した貴重なオイル。 栄養価もあり、香りも質も高いものが「エクストラバージンオイル」と呼ばれます。

ココナッツオイルは、外気温が20度以下になると固まり、20~25度で扱いやすいクリーム状に、25度以上で液体になります。この性質を利用して、ビーガンバターのような食品だけでなく、石けん作りや美容製品にも利用されています。

参照:ココナッツキュア株式会社/有機ココナッツオイル(低温圧搾・遠心分離)製法各種

主なココナッツ食品

ココナッツミルク
成熟したココナッツの種子にある胚乳を細かく粉砕し、水と一緒に煮込んだもの。

ココナッツウォーター
未成熟のココナッツの中にある水分、天然のスポーツドリンクと呼ばれます。

ココナッツパウダー
成熟したココナッツの種子の胚乳を細かく粉砕し、乾燥させたもの。注意:ココナッツミルクパウダーは、ココナッツミルクを乾燥させたもの。

ココナッツシュガー
ココヤシの花の蜜を煮詰めて作った、低GI値の天然甘味料

そいみん。

日本でも大ブームとなった「ナタデココ」、実はココナッツミルクをナタ菌という微生物で発酵させた発酵食品なんですよ。

ココナッツの栄養

ココナッツオイルは、ビタミン・ミネラルなどの栄養素は、あまり含まれていません。

一般的に植物性オイルには飽和脂肪酸ではなく、常温でもサラサラしている不飽和脂肪酸が多く含まれています。※オリーブ油やえごま油、亜麻仁油などがこれにあたります。

しかし、ココナッツオイルには、動物性の油脂と同じ飽和脂肪酸が多く含まれています。健康を害するオイルなのでは?と疑問に思われるかもしれませんが、動物性油脂との違いは、中鎖脂肪酸(体に吸収されやすくエネルギーに変わりやすいという特徴)が多い点にあります。

肥満になりにくいとされる中鎖脂肪酸の一種、ラウリン酸は抗菌作用が強く、腸内環境を整える作用があるとされます。

肝臓で分解されるとケトン体(体内で脂肪から作られるエネルギー源)へと変わり、脳の神経細胞のエネルギー源になることからアルツハイマー病などの認知症予防になるという報告もあります。

参照:ココウェル/「MCT(中鎖脂肪酸)」と「ケトン体」知って広がる!ココナッツ豆知識

ココナッツオイルの選び方や使い方

産地や精製方法で、味や香りの強さ、栄養価に違いがあります。選ぶのに迷う場合は、有機JAS認証などの高品質なオイルをできるだけチョイスしてみてください。

バターの代用として料理やお菓子作りなどに便利なのは、精製されて特有な香りが抑えられたもの。逆に、香りを楽しむためやトッピングに使用する場合は、未精製のもの、低温圧搾法のエキストラバージンココナッツオイルなど、用途にあわせて選ぶと良いでしょう。

そいみん。

ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸は、加熱によって酸化しにくい性質。オリーブオイルや米油と同様に、炒め物に最適です!

ココナッツオイルの美容効果とは?

ココナッツオイルは、食べるだけでなくスキンケアやヘアケアなど、様々な活用法があります。

乾燥が気になる冬の季節、保湿効果を期待して、肌用のココナッツオイルを購入してみました。

基本的には、食用スキンケア用と、それぞれの専用製品を使いましょう。また、アレルギーが全くないということではありませんので、使用には十分気をつけてください。

そいみん。

油分が毛穴をふさいでしまい、別の肌トラブルを引き起こす可能性もあるようです。あくまでも、健康な肌の保湿目的に使うのがいいみたい。

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まとめ

パーム油問題や、ココナッツオイルとの違い、ココナッツが万能な植物であることをお伝えしました。

太りやすいというイメージがあるオイルの中で、ココナッツオイルは摂取しても、分解されやすくエネルギーに変換されやすいという性質があるので、ヘルシーな油としても再注目されています。

ただし、摂取し過ぎると便がゆるくなったり、肝臓で処理されるため、機能が低下している人には適しませんのでご注意ください。普段の食事にプラスして摂るのではなく、他の油と置き換えて試してみるのがおすすめです。

美容オイルとしても効果が期待されているココナッツオイル、気になる方は使用法に十分注意してトライしてみてくださいね!

※食用おすすめオイルについての記事は、こちら